こたなのだ

スコティッシュフォールド 小太郎の日記。

名探偵こたロック・ホームズ「踊る人形」前篇

(ナレーション)
ホームズは何時間も無言で、私が買ったばかりのインドネシア製、回転籐座椅子の上に長くやせた背中をかがめて丸まっていた。



顎を右腕に乗せ、私の目にはさえない黄色の縞々の羽と短い冠毛を持つ、奇妙なフクロウのように見えた。
私はといえば、最近マスターしたボールペン回しに飽く事なく興じていた。
もう既に右手は完璧にマスターしていた。


「それで、ワトスン君。野村外貨MMFに投資するつもりはないのだね?」



私ははっと驚いた。
ホームズの不思議な能力に慣れているとはいえ、この突然の指摘はまったく説明のつかないことだった。 

(jam)いったいどうしてそれがわかった?それと僕はワトスンではない
そしてホームズ、キミのマントはよだれかけのように後ろ前になっている」

「キミの右手の人差し指と親指の間のくぼみをよく見れば、
キミのわずかな資産をMMFに投資するつもりがないとの確信を得るのはそれほど難しいことではない」

(jam)???僕には関係がわからない」

「おそらくそうだろうね。だが今日はとても愉快な気分だ。キミにもわかるように説明しよう




一、キミは投資する際は必ずパソコンのネットトレードを利用する。
二、キミはタッチパネルよりもマウス派だ。
三、キミは非常に優柔不断だ。ゆえに投資の際には何時間もマウスを弄ぶ事になる。
四、かくしてキミは親指の根元にある短母指屈筋がすぐに固まり伸びにくくなる。
五、4週間前にキミは円高の今、外貨を買うべきかどうかしきりに呟いていた。
六、キミの親指と人差し指の間のくぼみはこのひと月とても柔らかく動いていた。
七、つまりキミはMMFへの投資を断念した。」

(jam)なんとばかばかしいほど簡単な!そしていつの間にマントを正しく戻したのだ」

「その通り!ひとたびキミに説明するとあらゆる問題が幼稚きわまるものになる。
ここに説明のつかないことがある。見たまえ、それをどう考える、ワトスン君」

彼は一枚の紙をテーブルの上にほうり、座椅子の上で丸くなった。


 
私はその紙の上のばかげた絵文字を驚きあきれながら眺めた。

(jam)なんだ、ホームズ、子どもの絵だよ!」

「キミにはそれが子どもの絵に見えるのかい?」

(jam)ほかに何と考えたらいい?」

「それはガワラー婦人の枕元に置かれていたものだ。今朝私が見つけた」

(jam)ちょ、ホームズ!キミはガワラー婦人の寝室に出入りしているのか!?」
ガワラー婦人とは、我々と同居しているご婦人の事だ。

「朝ごはんの催促に行く事は私に与えられた至極真っ当な権利だと思うがね?
それとも朝寝坊のキミ達が起きるのをおとなしく待っていればデザートの玉子ボーロを増量してくれるのかね?」



ホームズは、絶句している私から奇妙な絵文字の描かれた紙をとりあげ、注意深く折りたたみ、
フクフクしたお腹の下にしまった。

「これはきわめておもしろい、奇怪な事件になりそうだぞ。ワトスン君」



(jam)そしてホームズ、キミのマントはまたいつの間にか後ろ前になっている」


(ナレーション)
私はといえば、また話しが無駄に長くなりそうな悪寒に震えていた(((;゜Д゜)))
だがこの後、私はこの絵文字に隠された恐ろしい意味を知ることになり、その恐怖にさらに打ち震える事になるのだった・・・
踊る人形の絵が意味するものとは?
難解な暗号解読に、こたロック・ホームズの頭脳が挑む!(中篇へつづく)

☆いつも見てくださってありがとうございまつ(・ω・)シ